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  • 松尾スズキ⑪『ちょん切りたい』

松尾スズキ⑪『ちょん切りたい』

1,100円(税込)
1995年今はなき新宿・シアタートップスにて上演。池津祥子、阿部サダヲ、伊勢志摩ら総勢18名で51役を演じています。

【本文より】

アエギ  面白い? これ面白い? 本当に面白いの?
ナミエ  もう最高。オハギ食べさせたら右に出るものいないわ。
ナハヒコ ちょうどいーい! この感じ、ちょうどいーい!
     パパって、なんてちょうどいいのお?
     ・・・はあ。はあ。・・・もういい。ああ、おもしろカルカル。
ナミエ  何しろこんな調子だから、やっぱりあたしたち、
     パパから離れられないよ。(泣く)つらいよ、つらいよー。
ナハヒコ ナハヒコと姉さん、ずっと二人だけで生きてきたの。
     そんな、いたいけな二人に、パパちょうどよいのに、
     もう、ナハヒコため息のトランペット
     鳴りやまない鳴りやまない。
アエギ  ・・・私が記憶を取り戻しさえしなかったら
     何もかもうまく行ってたのかもしれないねえ。
     皮肉なもんだ。なくしたものを見つけたとたん、全ての計算が合わなくなった。

【あとがきを読む】▶http://enbu.co.jp/kick/enbupdf/matsuo_chongiri.pdf